大森南朋さんの包み込むような雰囲気が素敵です。 寺島しのぶさんの演技に注目が集まった作品ですが、 むしろ、南朋さんの自然だけど深みがある表情や身体からにじみ出る 包容力こそ、この映画を支えている屋台骨です。 結構露骨なシーンもあるので、彼に包容力や優しさが感じられなかったら、映画の 雰囲気がガラリと変わってしまうと思います。そういうシーンが嫌悪感なく 観られるのは一重に彼のどことなく漂う品のせいかもしれません。 南朋さんは女性から見ると凄く生っぽい色気がある人だと思います。 画面の中にいるのに、とても近くにいるように感じる瞬間があります。 でも絶対身近にはいないタイプ。 役者としては、得がたい天性の素質ですね。 映画としては、寺島さん演じる玲の台詞が時々芝居がかりすぎて、 興ざめの所もあったのですが、基本的には丁寧に撮られていると思います。
一度目はレンタルで、25、6歳くらいのとき。二度目はつい最近、30歳で観た。 ぼんやりとしかわからなかったことが、よーくわかっちゃいました。 あ。そゆこと。みたいな。 頭の中で別の声がする、なんて、やばいよね。 と思っていたけど、似たようなことは自分自身にも最近よくある。 岡部のような人間と会話をしたくなる気持ちもよくわかる。 いいよね、軽くも重くもないあの感じ。 恋愛じゃないんだろうけど、魅かれる、っていうやつだね。
過食とアルコール依存症の31歳女性、玲(寺島しのぶ)。 彼女の孤独や不安は、奇異なものでなく、身近なもの、 そして自分の中にもあるもののように感じる。 それが、寺島しのぶの魅力かもしれない。 業女ではあるが、嫌味ではない。哀しみと可愛さがある。 「赤目四十八瀧心中未遂」の彼女も良いと思った。 彼女は、コンビニで長距離トラック運転手、岡部(大森南朋)と出会う。 そして、二人は関係を持ち、揺られるトラックでの旅。72時間をともにする。 あり得ない設定のようだが、二人のやりとりの中にはリアリティを感じる。 心のつながりにせよ、身体のつながりにせよ、孤独を癒す出会いが 今、こんなにも難しくなっているんだなと逆説的に感じられた。 男も孤独だったからこそ、嘔吐する玲を自然に受け入れられたのか。 それを「優しさ」と言えば、そうなのだろう。 旅の終盤、二人が定食屋でお互いの嘘を認め、弱さに触れ合う。 「妻と子どもがいる」それは嘘・・・と。そうだよね、と思った。 「傑作!」とは言えないかもしれない。 お金かけて作った映画のような派手さもない。 でも、私は好きだ。
前評判どうり、良い映画です。 さすが寺島さんは演技力ある! 女性ならだれもが心の奥に抱える不安・寂しさ等を巧みに表現されてます。 この作品が転機になったのもうなずけます。 でも、何といっても大森南朋さんが素晴らしい。 正にこんな時に出会って癒されたい理想の男。 ある意味、大人の女性の為の天使のような存在。 現実には出会うことは無いだろうケド、大森さんが演じるとリアルに感じます。 正にはまり役!良い役者さんです。 素直にファンになりました。 見終わった後に心が癒される。ぜひお勧めの映画です。
途中までどうにもVシネマ的などよーんとした空気が漂っていたが、 ガソリンスタンドでのシーンが心にずしんと来た。 あの時の「どうすればいいんだ。」という大森南朋さんの演技、 こんなに身につまされる思いをしたのは久しぶりである。 おそらく全ての男性が小中学校くらいに経験しているような、 「女の子の前でどうして良いか分からなくなる焦り」を思い出させてくれる。 この先もずっと「あの時、こうしていれば。」と後悔し続けることが、 自分への救済になっていくんだろうな、と想像しては胸が痛くなった。 いくらコンビニで待っても車に女性が乗り込んできてくれない自分にとって、 あんな素敵なドライブは夢のまた夢物語である。いいなー。