これ、絶対、ラブクラフト大好きな人が造った作品ですね!ひたすら恐怖を求める主人公。地下に潜む異世界と異邦人。『ピックマンのモデル』あたりが入っています。また、やたらにモノローグが多いこと。ジェス・フランコの『吸血処女イレーナ』風、幻想文学作品、悪く言えば、ひとりよがりなだけの作品です。ワタシ的にはけっこう気に入りましたが。しかし、トンデモない、無知蒙昧なシーンが空気ぶちこわしています。殺した女から取った血をそのままペット・ボトルに入れたって、分離凝固するだけだろーが!!!指のマタ(のように見えた)なんか切ったって、どろどろ血が落ちるか?!1日3時間しか起きないからって、あれしき血の量で生命活動が継続できるのだろうか???幻想映画にしても、もうちょっとそれらしく魅せる配慮が欲しいです。そうでなければ、ただのひとりよがり、自己満足に堕してしまいます。
塚本晋也がボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソボソ・・・・・・・・ と恐怖とは何だとか延々と語る作品。 あとは地下から変な女拾ってきて部屋で飼うだけ。 それだけ。
個人的には好きな作品です。 ハラハラもドキドキもしない、もちろん怖くはない。 フェイクドキュメントと言ってしまうには無理がありすぎる。 それでも、一種独特な雰囲気を持っている作品です。 はっきりと輪郭が見えない世界観の中で曖昧な人物像が非日常を過ごしている・・・そんな作品です。 “呪怨”とは違いますが、【清水崇】監督作品と言われれば納得の作品、 そして注目する事といったら女優【宮下ともみ】の演技力は台詞のない“物体”を上手く演じています。
騙し絵の一種に貴婦人に見えたり老婆に見えたり、あるいはウサギに見えたりアヒルに見えたりするものがありますが、 この映画も終盤のモノローグで今までの世界が突然逆転して目眩感覚。 ある種暗黒神話的な世界がサイコホラーに。 この2つが重なり合ってさらにその後の展開はもう混沌状態… この辺りのバランスはお見事。 現実なのか主人公の妄想なのか判別できないまま迷宮に落ち込むというパターンは古くは「バートンフィンク」、最近では「感染」なんかがそうだけれど、こういうの大好きです。 あと、地下世界よかったですねえ。こういうのも大好きなんですよ。 何か「クーロンズ・ゲート」(ちょっと古いか)を思い出してしまった。 ここを舞台に不条理で脈絡のない「不思議の国のアリス」的なストーリーが展開…なんて想像するとちょっとゾクゾクしてしまいます。 もちろん全然別の映画になってしまいますが…
「呪怨」の清水崇監督作。地下世界の独特のムードや、都会の雑踏を歩く主人公の不安感など、巧いシーンもありますが、全体として失敗作の印象。ストーリーはアルバトロスの「ハリウッド人肉通り」とかなり近いのでは?延々と後を付けてくる女とか、血を吸う少女とかの描写がちゃちくて、ホラーとしてはどうでしょう。ゴア?シーンも怖いというより気持ち悪いだけ。塚本晋也が主人公を演じておりますが、脇役なら光る塚本監督も、主人公となると、かなり弱いです。テーマは面白いのに、それが巧く映像化出来ていない印象です。ブリュッセル・ファンタスティック映画祭のグランプリ作らしいですが、あまりお勧めは出来ません。