DVD切なくも美しい叙情的な作品。愛・純情・優しさと紙一重の狂気。偶然が結びつけた男たちの友情。 弦楽器が中心の音楽も、スペイン情緒を醸し出していて良いです。
問題提起の仕方があまりに斬新で驚きました。 単純にレイプを扱った映画とは明らかに違います。そこには深い愛情があったように私は感じました。 あなたはどう受け止めますか?
ペドロ・アルモドバル監督としては珍しく男性側からの視点を主にして描いている作品。 とにかく脚本がいい。 アカデミー賞で脚本賞を獲得したのも納得。 ダンス劇で始まり、ダンス劇で終わる。 エピソード毎にテロップが入りますが、ラストのテロップの入り方も絶妙。 表面的に見れば、ストーカー男とダメ男の共に植物状態になった「自分が好きな」女性を巡る物語ですが、 それだけではない。 人の業の深さ、その償いと真の愛とは・・・そこまで深くテーマを掘り下げてこの作品は出来上がっています。 カルロにしても、絶望的なラストに思わせておいて、実は、というのはよくありがちですが、 実はそこに至るまでの経緯を考えると、単純にハッピーエンド、とはいかない。 などなど。 とにかく登場人物は限られているものの、事項が複雑に絡み合いつつも、一つ一つが、 ゆっくりと、徐々に徐々に心に響いてきます。 まるでカルロのように、私もラストは泣いてしまいました。 最近はめったに泣くことなんてなかったのに。 ペドロ・アルモドバル監督、さすがです。
こういう作品を観ると、色んなところでハリウッド映画との違いをすごく感じます。 結局何がどうだったのか明確な答えや結末が与えられないので 普段使っていない脳みその部分がとっても疲れます。 色彩豊かで美しい光に溢れる綺麗な映像の中で起こっている出来事が あまりに衝撃的で嫌悪感さえ覚えるのに、なぜか完全に嫌いになれず 最後は結局涙が流れてしまいました。 あの立場に自分が立たされたら・・・とそれぞれにあてはめて考えてみても 結論は出ませんでしたが、最終的に少し感情移入?したかも。 大スクリーンで見て受けた衝撃が大きすぎて もう一度見る勇気ないけど 嫌いじゃない・・・変な感覚を残す作品です。 まんまと監督の手中にはまった感 大
あるもどばるさん、「愛」の正体って何ですか? 答え;情熱です。 どんな手段によってでも対象に近づきたい自分、 でも人を愛し通すことに確信を持てない自分、にとって、 ベニグノも私だし、マルコも私です。 だからなぜマルコがベニグノを深く受け入れ(あるいは愛し)、涙したのか、 痛いほどよく分かるのです。 「情熱」に憧れるものにとって、 いかなる種類のものであれそれは常に畏敬の対象なのです。 こんなにややこしいことをこれほど強い説得力を持って表現できると言うことは、 やはり凄いの一言です。 この映画を見て、 自分の中の「情熱」が揺り起こされはしませんでしたか? あの最後の劇場で、 お尻の行進を見て心浮き立ちはしませんでしたか? 楽しげな嬉しげな春先の気分になりはしませんか? 心で君を抱きしめる…! 一度は言ってみたい!って思います。 追記。 もちろん、 情熱を持っていれば何をしてもいいと言いっているのではありません。 究極の利己性は、往々にして本人にとって無私の行為として自覚される点、 そのような純粋な情熱に対する憧れ・畏怖がそれなりに普遍的なことを、 感情的に訴えることができる。そこがこの映画の特筆すべき点と言えます。 それは、翻ってナチズムのような妄信が集団的な暴走と言うだけでなく、 個人に根ざした願望として存在しうるという指摘にも拡張できると思います。 本来共感できないはずのものにどこか共感してしまう。 固定観念の基盤の弱さ。 それをモラルとインモラルの境目から描き出す妙。 やはり、素晴らしい作品です。